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2010年3月3日~8日石けんセミナー報告

APLAでは、オルター・トレード・ジャパン(ATJ)の現地法人であるオルター・トレード・インドネシア(ATINA)社と協働して、エコシュリンプの生産地であるシドアルジョ地域で石けん運動を進めていこうとしています。

インドネシアでは、洗濯、食器洗い、シャンプーなど、合成洗剤が「当たり前」という現状。そこには、大量生産によって可能となった合成洗剤の安価さ、テレビコマーシャルの影響があります。油汚れが簡単に落ちる、洗濯物が真っ白になる、髪がさらさらになる…口当たりのいい情報が流され続けるいっぽうで、合成洗剤の危険性について人びとが学ぶ機会はまったくといっていいほどありません。それを一緒に考えてもらうため、日本で長い間石けん運動に関わってきた経験をもち、そしてエコシュリンプを食べている大嶋さん(フォーラム・アソシエ運営委員長)と廣瀬さん(APLA理事)のおふたりに現地でのセミナーの講師をつとめていただきました。

今回は、ATINA社、エビ養殖池のある村、中学校、ATINA工場近隣の村、の4カ所でセミナーを行いました。ATINA社では、すでにユニフォームの洗濯や工場の清掃に自社製の石けんを利用していますが、一般には石けんはほとんど馴染みのないもの。逆に、泡立ちや強い香りを好むインドネシアの人びとにとって、合成洗剤は魅力的です。しかし、なぜ合成洗剤を使う生活を変えるべきなのか、なぜ石けん運動が必要なのか、といったポイントを、健康や自然環境への影響をわかりやすく説明することで、少しずつでも理解してもらうことができたのではないかと思います。

電気が通っていない村では、ATINAスタッフ力作のイラストを利用。

セミナー参加者のみなさんと記念撮影。

ATINA社では加工労働者を対象に食堂でセミナーを開催。みんな真剣に話を聴いていました。

金魚で実験中(向かって左が石けん、右が合成洗剤)。養殖池周辺の環境を考える機会に。

中学生からは「なぜそれほど危険な合成洗剤が普通に売られているのか?」と、するどい質問も出ました。

セミナーの参加者にはATINA社製の液体石けんをプレゼント。

今回の石けんセミナーが、シドアルジョ県ひいてはインドネシア各地での石けん運動の一歩となることを期待し、今後も現地主導の石けん運動に協力していきたいと考えています。

報告:野川未央(のがわ・みお)