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APLAレポート

2009年8月発行/12頁APLA Report no.1 タイ政治抗争の背景と構造

ある日、数万の群衆がバンコクの中心街にあふれ、軍隊が出動し、時に国際空港が占拠されて閉鎖になったり、重要な国際会議が流れたり。その度に日本のメディアもにぎわすタイの政治抗争――。抗争の双方ともにタイの最高権力層が顔をそろえ、衝突がきわどくなればどこで手打ちが行われるのか、さっと日常に戻り、流血には至らないし、犠牲者も出ない。タイらしいといえばタイらしく、それはそれでなかなかいいのだが、日本から見ている分には何が何だか分からない部分が多すぎる。これは民衆に根ざした運動なのか、タイの普通の人はどう見ているのか。

そこでタイの政治や社会運動に詳しい三人の学者、ジャーナリストに登場いただき、タイの政治や輝かしい歴史を持つ社会運動の流れの中に、一連の政治抗争を位置づけながらその意味を考えてみた。

編集部:大野和興(農業ジャーナリスト)

【目次】

タックシンからアピシットへ:混迷するタイ政治
……鈴木佑記(上智大学日本学術振興会特別研究員)

対立の中で変わる憲法観と路上の政治
……岡本和之(ジャーナリスト)

タイの混乱は新たな民主的変革への陣痛:メディアに欠ける歴史的視点
……永井 浩(日刊ベリタ主筆、神田外国語大学教授、元毎日新聞編集委員)

タイ王国の政治変遷年表

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