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2017年4月4日~9日3カ国若手農民交流(5) コーヒー生産者グループとの交流・その4

2017年4月、フィリピン・ネグロスとラオスの若手農民が東ティモールを訪問しました。テトゥン語(東ティモール)、イロンゴ語(フィリピン・ネグロス)、ラオ語(ラオス)、そして日本語と英語…といくつもの言葉が通訳を介して飛び交いながら、お互いの学びを深めていった一週間となりました。

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午前中に引き続き、コーヒー生産者グループFitun Caetano(ハウプ村リアモリ集落)との交流を深めた4日目。午後は、グループの女性たちが収入多様化の一環として始めたテンペづくり、薪の節約のために有効な簡易かまどづくり、そのふたつについてネグロスとラオスのメンバーに体験してもらうように準備がされていました。

まずはテンペづくりからスタート。今回材料として準備した大豆は、メンバーたちが地域で育てたものです。前の日から浸水しておいて、朝の内に茹でておいた大豆の薄皮むきから始めました。ラオスとネグロスのメンバーたちと一緒に、この場を仕切る女性メンバーたち、子どもたち、そして男性メンバーたちも一緒になって賑やかに作業が終了。やはりみんなで協力すると仕事が早く進みます。その大豆の水を切るように台に並べて待つこと30分強。ラオスのメンバーたちに疲れが見えていたので少し休憩の時間をとったのに、いつのまにか子どもたちにラオスの踊りを教えて大盛り上がりしていたのでした。

リーダーのフラビア(花柄のシャツ)が手順をしっかり伝えてくれました

大豆の皮むきを終えて、水分を飛ばすために台に平らに並べます

 

大豆から適度に水分が飛んだところで、市販のテンペ菌を混ぜて、それを小分けにしていきます。今回は、プラスチックの袋に入れるものとバナナの葉に包むものの2種類を作りました。通常、常温で3〜4日ほど発酵させるとテンペが完成するので、残念ながら、ネグロスとラオスのメンバーはできあがったテンペを食べることはできません。ディリの市場でテンペを買って味見してもらおう、ということになりました。

簡単そうに見えて、上手に包むのは結構難しい

包み終わったものは常温で3~4日発酵させます

 

今度は簡易かまどづくりです。粘土質の赤土、牛糞、おがくず、砂を、2:1:1:1の割合で準備して、水を少し加えて、足で踏んで混ぜていくのですが、大切なのは楽しむこと!大音量で音楽をかけて、みんなで踊りながらこねていきます。ノリノリでステップを踏むメンバーがいる一方で、牛糞が混ざった材料を踏むということ自体に抵抗があるのか、ラオスの女性たちは一人をのぞいて後方に逃げていました。その後、みんなで輪になって踊り(その間にも真ん中では粘土をこねる作業が続く)、心の距離も縮まったようです。

まずはすべての材料を混ぜ合わせ、その後に足で踏んでこねます

レッツダンス!言葉は通じなくても音楽と踊りがあれば大丈夫

 

そうこうしているうちにしっかりこねあがった粘土をボール状にまとめて、空気を抜くようにバケツに投げ入れます。バケツをひっくり返して中身を出して、成形作業に入ります。しっかり乾燥して感性となるので、今日のところは、普段から使用している簡易かまどを持ってきて、実際に台所で火をおこす所も見てもらいました。ラオスでもフィリピンでも、農村部では(石を3つ置いて火をおこす)三角かまどが使われていますが、簡易かまどを活用することによって、使用する薪を減らすことにつながるといいのですが。

型(バケツ)に詰める前にボール状にして

バケツから出して、ナイフを使って成型します

 

コーヒーブレイクをはさんでの意見交換では、コーヒーのこと、収入多様化のための様々な活動のこと、活発な意見が飛び交いました。子どもたちから歌のプレゼントもあり、最後はみんなで記念撮影。ものすごい土砂降り(涙雨?)の中、Fitun Caetanoのメンバーに見送られて、村を離れたのでした。

子どもたちから歌のプレゼント♪

報告:野川未央(のがわ・みお/APLA)

※このプログラムは、公益財団法人トヨタ財団「国際助成プログラム」の助成をいただいて実施しています。