2025年11月4日に台風25号(フィリピン名:ティノ)がフィリピンのビサヤ地域を横断する形で上陸しました。この影響で、ネグロス西州の州都であるバコロド市、バナナやマスコバド糖用サトウキビ産地がある市町村で、鉄砲水、川の増水や強風による被害が相次ぎました。ネグロス東州北部にも同様の被害がでています。フィリピンの国立災害リスク軽減・管理評議会の発表では、この台風被害によりネグロス西州で77名が亡くなり、63名が行方不明と報告されています。ネグロス東州では23名が亡くなり、5名が行方不明です。続いて11月9日にはルソン島北部に台風26号(フィリピン名:ウワン)が上陸し、バランゴンバナナの産地があるヌエバ・ビスカヤ州を通過しました。この影響により各地で土砂崩れが発生し、地元の国道なども通行止めとなりました。現在でも、一部の地域では道路が遮断されている状態が続いています。幸い関係者の人的被害の報告はありませんでしたが、家屋被害や作物への被害が報告されています。
今回の台風被害によりネグロス西州のバランゴンバナナ産地では、バナナを含む作物が被害を受けました。地域によってはバランゴンバナナが全滅しているところもあります。ネグロス東州にあるバランゴンバナナの4地域も同様に被害を受けています。
こうした被害状況を受けて、バランゴンバナナとマスコバド糖の出荷団体であるオルタートレード・フィリピン社(ATPI)では緊急支援を実施することを決定し、オルター・トレード・ジャパン(ATJ)とともにこの活動をサポートしました。APLAからは「APLA緊急災害支援準備金」から100万円を送金しています。
ATPIでは、一刻も早く圃場の生産を回復させるため、復興支援を実施します。マスコバド糖用原料のサトウキビ生産地においても同様に生産性回復のための支援を開始します。バナナやサトウキビから得られる収入が生産者たちの生活の支えとなっており、台風からの迅速な回復が必要です。
また、カネシゲファーム・ルーラルキャンパス(KF-RC)も昨年から栽培を開始したバランゴンバナナがほぼ全滅、卒業生の中には家が全壊したり、家畜が鉄砲水によって流されるなどの被害を受けた人もいます。KF-RCとして、被害を受けた卒業生の生計回復のための支援を実施します。
つきましては、下記に記します復興支援へのご協力をお願い申し上げます。
<バランゴンバナナ産地>
バナナの生産性を回復させるため、被災者へ鶏糞の配布を実施します。また、当面バナナの出荷がなくなる地域の現場スタッフたちが、日常の集荷作業に代わり、復興支援が迅速に実行されるよう生産者の作業をサポートすることで、日当の補償に充てます。今後も起こりうる災害に備える対策として、果樹などの植林用の種・苗代も含まれます。このほか、ルソン島北部でも復興支援が計画されております。
【支援対象】
・ネグロス西州のバナナ生産地:12地域476名
・ネグロス東州のバナナ生産地:4地域100名
【予算】下表を参照のこと。
<サトウキビ産地>
サトウキビ生産地のうち大きな被害を受けたのがMACFWAとAFWAの2つの生産者組織です。洪水や鉄砲水の影響で大量の瓦礫が流れ込み、圃場は冠水しました。泥をかぶった圃場の復興と効果的な土壌改良を実施します。また、MACFAWAでは鉄砲水によって収穫したサトウキビを運ぶための牛車が流され、トレーラーも大きく壊れました。新しい牛車の支援を実施します。
【支援対象・予算】
・MACFAWA:19.81ヘクタール
・AFWA:9.81ヘクタール
【予算】下表を参照のこと。
<KF-RC関連>
家の全壊や家畜の消失などの深刻な被害を受けた卒業生には、1人あたり20,000ペソ(約54,000円)相当の家の建築資材や家畜を現物支給、農作物の被害などを受けた卒業生には、1人あたり5,000ペソ(約13,500円)を現金支給。
【ご寄付の方法】
■クレジットカード/銀行振り込み
寄付フォーム からご寄付いただけます。「支援の種類」で「今回のみ」、「寄付の使途」で「00.今回のみの寄付(フィリピン台風緊急支援)」をお選びいただき、必要事項をご記入ください。
■郵便振替
00190-3-447725 特定非営利活動法人 APLA
※通信欄に「フィリピン台風支援」と明記してください。
- 領収書の発行は省略させていただいています。領収書が必要な方は、APLA事務局までご一報ください。
- 募金総額の一部(上限10%)をこの活動に関わる事務経費のために使用させていただきますことを予めご了承ください。










