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台風ヨランダ被災地支援活動進捗報告(2014年4月)

ASIN(アシン)結成に関して

2013年11月に発生した台風ヨランダ被災地支援に際して、レコレトス会を通じて支援するとお伝えして呼びかけをいたしましたが、レコレトス代表のタゴイ修道士より、いくつかの団体と連携して多様な支援、より地域に密着した草の根型の支援ができるように、と支援活動のネットワークであるASIN(アシン/Alternative Solidarity Initiative Networkの略)を結成する要望が届き、APLAも了解しました。また、当初は支援対象地域にレイテ島も含んでいましたが、レイテ島に支援が集中するなか、被害を受けた他の島への支援が手薄ということで、ASINとしては、ネグロス島北部、セブ島、パナイ島を中心に活動をしていくとの報告が入っています。

ASINは、Heartanonymous(レコレトス会の緊急救援グループ)、カネシゲファーム・ルーラルキャンパス(KF−RC)、DIHON(アーティストグループ)、カディス・女性ボランティア、ソーシャルアクションセンター・バコロド教区で構成され、台風の復興支援を目的に状況に応じて連携して動くことが確認されています。それぞれの団体は本体の活動を実施するとともに、台風支援に関しては、人材・資源・物資などを持ち寄る形で復興支援に携わります。日本で集められた募金は、この全体的な動きに活用されることになります。

ASINの復興支援の目的

ASINの復興支援は、支援に入る地域との持続可能な関係構築をめざします。今回関わる地域において、自助組織をつくることにより、地域での継続した活動ができるようにと考えています。将来的には、こうした地域や人びとをつなげて、国内の交易活動に発展させ、地域の経済活動の強化や助け合いを強めていきたいと考えています。

現在までのASINの活動

1. 2014年1月19日に決起会議および各プログラムに関する会議を開催しました。

子どもたちへの給食配布(カディス市)

子どもたちへの給食配布(カディス市)

2. ネグロス北部の被災地において、栄養不足の子どもたちに対する給食プログラムを実施。カディス市のバランガイ(市と町を構成する最小の地方自治単位)シックスにおいて、約120人の栄養不足の子どもたちに食べものを配りました。3月には、バランガイフォーとファイブにおいても、栄養不足の子どもの数を特定した後に給食活動が実施されています。およそ80人に配給される予定です(実施報告は未提出)。この活動は、カディス女性ボランティアグループにより2月から実施され、現在まで継続中です。また、この地域の母親たちとも関わり、衛生管理や健康、家族計画、責任ある親のあり方に関するセミナーなども実施しました。母親たちに対しては、生活向上のためのプログラムも実施される予定です。4月にはバランガイ・ダガにおいても給食活動が実施される予定です。この活動は、助産師であるASINのメンバーが担当しています。

3. セブ・バンタヤン島の周辺諸島であるマンバカヤウ島での復興支援実施。バコロド教区ソーシャルアクションセンター、Heartanonymous、DIHON、KF−RCで実施。救援物資、太陽光パネルと電球、食料、医療品などを持参して配布しました。DIHONが作成した災害時の対応マニュアル教育教材(漫画)も配りました。緊急物資支援以外に、子どもと若者のワークショップ(台風からのトラウマに対する精神ケア)、復興支援に関するコンサルテーションと会議も実施し、継続的な支援活動を行います。

ソーラーパネルと電球を支援

ソーラーパネルと電球を支援

子どもたちへのワークショップ

子どもたちへのワークショップ

 

ASINが支援した家屋

ASINが支援した家屋

4. 台風によって被害を受けた家屋の再建に協力しています。すでに2軒の家屋を建設し、4軒の家が建築中です。家屋を再建するかを判断する前に、現場調査とコンサルテーション、会議を実施しています。建設実施は、台風により家屋が全壊した家族に対して優先的に実施され、次に家屋の修復も支援する、ということにしています。家屋の再建は、できればより安全な場所へ引っ越しすることに家族が合意した場合に実施したいと考えおり、この移動に関しては市の行政の協力も必要になっています。建設に関して、家族が合意した場合、建設の労賃を捻出してもらったり、協力し合って作業を実施することをお願いしています。ただし、家族が協力できない場合は、建設の労賃に関してもASINが負担しますが、多くの場合は、大工作業を一緒に実施しています。

5. 生活向上プログラムも実施しています。ネグロス島北部E.B.マガロナの漁民に対して支援をすることにしています。いくつかあがってきている申請要項は、現在コンサルテーションを待っている状態で、地域の窓口となるパートナーと内容について確認しています。

災害対策のための教材制作

災害対策のための教材制作

6. トラウマやストレスに対する子どもや青年(親も含む)へのワークショップも実施しています。

7. 人災・自然災害の中で生き延びるための教材の開発も実施しています。アーティストグループであるDIHONが担当しています。

今後の活動に関して

現在のところは、ASINのプログラムは、ネグロス島北部とセブ・バンタヤン島に集中していますが、今後、教会グループやNGOとのコンサルテーションを実施した後、パナイ島など支援を必要としている地域でも活動する予定です。

※ASINは、随時Facebookでも報告をしています(英語/Facebookに登録している方のみ閲覧可)