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2026年2月3日〜5日「豊かさ」とは?ー東西ティモール交流から見えてきたもの

APLAでは、2024年からティモール島の東西(東は東ティモール、西はインドネシアの西ティモール)で循環型農業や環境保全などに取り組む人びとの交流を後押ししてきましたが、今回はインドネシアの東ヌサ・トゥンガラ州南中央ティモール県のモロ地方で活動するLakoat Kujawasへの念願の訪問が叶いました!Lakoat Kuajawasは、地域の若者のリテラシー教育(図書館の運営、子どもたちによる聞き書き活動、文章執筆や編集のクラスなど)、伝統文化の継承、ローカルフード復興・発展のための様々な活動を10年にわたって継続してきたコミュニティで、国内外から注目を集めています。

今回の訪問団は、東ティモールで長く農民支援をしてきたNGOの仲間たち、農民組合のリーダー、アグロエコロジースクールの卒業生など10名に加えて、東ティモールとの国境に近いアタンブアから3名、そしてAPLA事務局&インターンも加わり、総勢16名。インドネシア語・テトゥン語(そして時にはそれ以外の地方言語)・英語が飛び交いました。

 

2泊3日の交流プログラムの最中、直訳すると「新しい食事」という意味の「Mnahat Fe’u」は、Lakoat Kujawasが毎月1回開催を続けている活動に参加することができました。地域で採れる旬の果物や野菜、フード・ラボで作って保存をしてある発酵食品などを使って、地域の伝統的な料理を創造的に発展させた食事を参加者みんなでいただく会です(そして、ワークショップとして調理や発酵食品の仕込みなど、準備にも参加させてもらいました)。モロ地方で伝統的に食されてきた芋類やトウモロコシなどは、お米と対比されて「貧しい人たち」の食べものと認識されてしまいがち。Lakoat Kujawasは、芋やトウモロコシが自分たちの地域の「豊かな食文化」を形成するものだということを、実践を通して、地域の内外に力強く発信し続けています。

フード・ラボでの発行保存食作りのワークショップ。

調理ワークショップでタロ芋のコロッケ作りに挑戦。

「Mnahat Fe’u」で大きなテーブルを囲む参加者一同。

一品ずつ細かく説明をしてくれるLakowat Kujawasのメンバー。

 

私たちが参加した「Mnahat Fe’u」のメニューは、トウモロコシと豆のお粥、トウモロコシ入り赤米ごはんという2種類の主食に、今が旬のタケノコ、アボカド、スターフルーツ、加えて日常的な食材のバナナやパパイヤの蕾などを上手に使った彩りも食味も豊かなおかずの数々。参加者一同感嘆の声を挙げずにはいられませんでした。

彩りも食味も豊かなご馳走、いただきます!

 

ただ美味しくいただいて終わりではなく、食事の後に一人ひとりが一番気に入った一品伝えるシェアリングもプログラムの大切な要素です。自分が子どもの頃に村で食べていた懐かしい味、自分の村にも竹の子はたくさんあるけれど食べたことがなかった、全部おいしくて一品を選ぶなんて無理、などなど、なぜその料理が気に入ったのかというそれぞれの話に耳を傾けるのは、これまた豊かな時間でした。

「Mnahat Fe’u」以外にも様々なプログラムを通じて、多くの刺激をもらった東ティモールの仲間たち。ヨーロッパによる植民地支配の時代を経て小さな島の東西で別の国として歩んできた東西ティモールですが、「ワニはひとつだ!(注:ワニがティモール島になったという言い伝えがある)」という言葉が腑に落ちたように、お互いの類似点を見つけることができたようです。帰国前のミーティングでは、自分の地域に戻ってからどんなことをしていきたいかについて白熱した議論が続きました。今回の経験を通して、東ティモールでの活動に新たな動きが生まれることを確信しています。

各プログラムの進行も、中学生から大学生までの若者たちが担当。堂々とした姿に感銘を受ける東ティモールの参加者たち。

東ティモールのメンバーたちによる振り返りのミーティングで白熱した議論が続きました。

 

APLAでは、2026年度も東西ティモールの交流プログラムを継続していきます。どこか遠い場所の話、ではなく、日本に暮らす私たちにも共通の課題である農と食の未来について、共に考える機会も創出していきたいと考えています。皆さんのご参加・ご支援をお待ちしています!

報告:野川未央(のがわ・みお/APLA事務局)

こうした活動は、皆さまからのご支援で実施することができています。ご支援お申し込みフォームから「13. 今回のみの寄付(東ティモール)」をお選びいただき、必要事項をご入力願います。クレジットカード決済か銀行振り込みがお選びいただけます。