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2020年11月23日地域住民主体の水源保全活動が進んでいます

世界的な問題である気候危機(Climate Crisis)の影響は、東ティモールでも年々深刻化しており、特に、雨水や山の湧水に頼って日々の暮らしや農業を営んでいる地域の人びとにとっては、いのちに直結する問題でもあります。

APLAでは、現地の環境NGOであるPermatilの協力を得て、2013年度からエルメラ県のコーヒー産地での水源保全活動に取り組んできましたが、去る11月23日にも、エルメラ郡メルトゥト村で地域の若者と現地スタッフのイニシアチブによる水源保全活動がおこなわれ、写真と簡単な報告が届きました。​

水源の近くにため池を堀り、その周辺に木々を植える、という非常にシンプルな作業ですが、雨季に大量に降り注ぐ雨が濁流となって流れていくのを防ぎ、水が山に吸収されていく仕組みを作り出すことができるのです。「以前参加したワークショップで自分たちが学んだことを地域の人たちに共有して、一緒に水源を守っていけることを誇りに感じます」とは、今回の活動の主体となったある若者の言葉です。

明日にでも水の問題が解決されるというような即効性はなくとも、地域住民自身が自分たちの水源をきちんと把握し、それを守り継いでいくために協同することそのものが、大きな地域の財産となっていくんだということを改めて強く感じます。

蛇口をひねればすぐにきれいな水を使ったり飲んだりすることのできる私たちですが(だからこそ)、その水がどこからどうやってきているのかを知っている人はほとんどいないのではないでしょうか。東ティモールのコーヒーを飲む時には、ぜひ彼の地で地道に取り組まれている活動にも思いを馳せつつ、ご自身の「水」を取り巻く環境についても考えてみてもらえたら嬉しいです。

報告:野川未央(のがわ・みお/APLA事務局)