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2025年4月29日イスラエルの占領がガザを餓死に追いやる

2025年4月25日金曜日、世界食糧計画(WFP)は、ガザ地区における食料備蓄が完全に尽きたことを発表しました。

2025年3月2日以来、イスラエル占領軍は、ガザ地区への食料、水、燃料、人道支援物資のすべての搬入を阻止しています。ほぼ2カ月間、パレスチナの人びとは意図的に生存手段を断たれ、作り出された飢餓によって死に追いやられています。

WFPの支援のもと運営されていたすべてのパン工房は、小麦粉と調理用燃料が尽きたため、3月31日をもって閉鎖されました。家族が2週間過ごせるよう配布されていたWFPの食料支給も3月末までに底を突きました。備蓄はもはやありません。配給もありません。棚は空っぽで、かまどの火も消えています。

現在、ガザの国境には11万6千トン以上の食料支援物資が待機しており、これは100万人分の食料を最大4カ月間賄える量です。しかし、イスラエル占領軍はその搬入を拒否しています。

ガザは今、飢えさせられています。

これは単なる人道的危機ではありません。この人為的な飢餓は、現在進行中の戦争犯罪です。

ガザの食料システムは、イスラエルの爆撃と包囲によってすでに破壊されました。農業、農場、漁場、給水システム、衛生施設、基本的インフラが意図的に標的にされました。

イスラエルによる国境封鎖はガザ市場を崩壊させ、壊滅的な物資不足と恐ろしいほどの食料価格の高騰を引き起こしました。4月第1週時点で、食料安全保障部門は、ガザの家庭の約80%が食料を完全に人道支援に依存していると報告しています。そして、その支援もイスラエルの占領軍により強制的に打ち砕かれました。80%の家族が市場にすらアクセスできず、95%が食料が販売されていたとしても支払えないと回答しています。食料価格は、ジェノサイド前の水準に比べて1.5~7倍も高騰し、一部のものは「停戦期間」と呼ばれる時期と比較して最大14倍もの価格になっています。乳製品、卵、果物、肉などの必需品は完全に市場から姿を消しました。ジャガイモやタマネギといった基本的な野菜さえも、価格が10倍以上跳ね上がりました。4月第1週時点で、市場の運営能力は40%未満に落ち込み、在庫も1〜2週間で尽きると予想されていました。4月末の現在、在庫は完全に底を突いています。

同時に、エネルギー危機も食料危機と並行して深刻な状況にあります。料理用ガスの価格は40倍も急騰し、絶望した人びとは健康や命を危険にさらしながらゴミやプラスチックを集めて火を起こしています。

この飢餓は偶然のできごとではありません。これは、イスラエルによる計画的な「飢餓によるジェノサイド」という政策です。イスラエル占領軍は、人間の最も基本的なニーズを武器としてパレスチナ人を民族浄化しようとしています。人びとが食べて、生きて、存在する能力そのものを体系的に破壊しようと企んでいるのです。

ガザは、作り出された飢餓とジェノサイドという暴力の間で押しつぶされています。

さらに、イスラエル占領軍は、フィラデルフィ回廊とモラグ回廊の間に設けられた「緩衝地帯」を拡大し、ガザ全体の約20%にあたる土地を軍事管理区域に変えています。これには、ブルドーザーによる農地の破壊、住宅の破壊、避難民たちが帰る場所を奪う行為が含まれています。軍事請負業者たちを含む米国企業が、こうしたアパルトヘイトと強制移住のインフラ構築に直接関与しています。これは、占領地の破壊と収奪という継続中の戦争犯罪の一環であり、ガザの土地、経済、未来とのつながりを恒久的に断ち切るものです。

飢餓に直面して中立はあり得ません。
世界が行動しないことに対する言い訳は存在しません。

UAWCは、以下を強く要求します。

  • ガザ地区へのすべての国境検問所を即時かつ無条件で開放し、食料、水、医薬品、燃料、人道支援物資の自由な搬入を認めること。
  • イスラエルによるガザ封鎖の終結、戦争犯罪への責任追及、ジェノサイドの即時かつ恒久的停止への国際的圧力。
  • 飢餓を戦争とジェノサイドの手段とした行為について、ローマ規程および国際人道法に基づく国際的な訴追。
  • ガザの食料システムの回復と再建をパレスチナ人自身主導で進めること(占領勢力や依存を助長する国際機関による押し付けではないこと)。

飢餓とジェノサイドにおいて交渉の余地はありません。
必要なのは、封鎖の即時かつ完全な終結と、パレスチナの解放だけです。

日本語訳:株式会社オルター・トレード・ジャパン