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手わたしバナナくらぶニュース

2014年11月+12月No.227 「作る人、食べる人」の交流から「友だち」関係へ

マカオさん、ダイアナさん、末の娘さん

マカオ・セラルボさん(49歳)は、西ネグロス州パンダノン地域のバランゴンバナナ生産者です。パンダノンから日本にバランゴンバナナを送り出して18年目になります。

2012年9月に初めて来日したマカオさん。生活協同組合を中心としてバランゴンバナナを買い支えてくれている皆さんとの交流会のため、関東では4カ所、関西では3カ所、そして宮城県を訪問し、合計で400人もの方と出会うことができました。また、宮城県では生協だけでなく、東日本大震災で被災した地域の農業者の方たちの所へも訪問するという貴重な機会を得ました。

日本の有機農業者と交流

さらに、三重県では、有機農業を営み、生産した野菜を生協に出荷しているグループの圃場を訪ね、土づくりの話に耳を傾けました。バナナ以外の野菜づくりにも取り組むマカオさんが、白菜につく虫にはお手上げだとの悩みを相談すると、「その虫、ここにもおるよ。色々やってみたけど方法がなくて、結局は朝晩に箸でつまみ出してるよ!」との返答。それを聞いたマカオさんは、「近代的な日本でも、有機農業は手間がかかるんだなぁ」とつぶやいていました。

この日のお昼には、グループの皆さんが持ち寄った野菜づくしの手づくりの食事をいただきました。フィリピンでは、来客があると、奮発して肉や魚の“ご馳走”をふるまおうとする傾向がありますが、ここでいただいた野菜づくしの料理の美味しさに大きく感激していたマカオさんが印象的でした。

小さいけれど、大きな変化

マカオさんが暮らすパンダノン地域には、毎年、関西の生協組合員が訪問して交流を続けてきています。13年、ツアーに参加した組合員の一人から「マカオさん、昨年(12年)、日本を訪問してどうでしたか?日本の有機農業の現場を訪問した感想は?」との質問があがりました。それに対する答えは「とても楽しかったし、有機農業についてたくさん学ぶことができました」というもの。たとえ多くのことを感じとって、学んでも、それらすべてをすぐに仲間に伝えるのはそう簡単なことではないものです。

地場産野菜たっぷり、パンダノンでの昼食

14年7月にも再び生協組合員の方々と一緒にパンダノンを訪問しました。村に滞在中の食事は、生産者に準備してもらいますが、例年に比べて野菜料理の種類が多くなっていることに気づきました。通常、用意してくれた食事に対して、かかった実費をパンダノン生産者協会に支払うことになっているので、清算をしようとすると、「今回は、鶏とナマズの代金だけで大丈夫です。野菜は全部自分たちがつくったものです。訪ねてくれた友人と食事をわかちあうことは、フィリピンの伝統的な“おもてなし”なんです」との答えが。お米はマカオさんが育てたもの、野菜は生産者協会のメンバーが持ち寄ったものでした。メインの鶏もナマズもメンバーが飼育したもの・捕まえてきたもので、市場で購入した材料がひとつもなかったそうです。

来年も再来年も…!

毎年続けてきたパンダノン地域での交流訪問、そしてマカオさんが日本を訪問した際の様々な体験。それらの積み重ねこそが、今年のツアー参加者が、単なる「バナナ消費者」ではなく、「友だち」としての“おもてなし”の根っこにあるのだと感じます。パンダノンの生産者たちは、自分たちが作っている野菜に自信をもって、心を込めて野菜料理を出してくれたのでしょう。

生協の組合員活動の話を聞くパンダノンの生産者

後日、関西でのネグロス交流ツアー報告会に宛てて、マカオさんからメッセージが届きました。「日本の有機農家グループの訪問は、私の農業技術を向上させるのに大きく役立ちました。いま、日本で学んだことを少しずつ実践しています。地方行政の農業指導員が、どこでそんなことを学んだのか聞いてきます。私は、日本の有機農家から学んだと答えています。そして、生協の組合員の皆さんが生産者の私たちに会いにきてくれることに、とても感謝しています。私たち生産者にとって、皆さんの訪問は、私たちの生活の一部になっています。来年も待ってますよ!」

幕田恵美子(まくた・えみこ/ATJ)