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2016年10月8日~13日若手農民交流報告(1) オリエンテーション

2016年10月、フィリピンと東ティモールの若手農民の交流プログラムを実施しました。目的は、お互いの知恵や経験、悩みなどを共有し、将来につながる気づきや学びを得ること。東ティモール・エルメラ県の3人の若手農民が、フィリピン・ネグロス島のカネシゲファーム・ルーラルキャンパス(KF-RC)を訪問し、一週間にわたって様々な体験を通して、学び合いました。

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東ティモールからの4人(若手農民3人+同行スタッフ1人)がネグロスに着いた初日の夜。まずは、アイスブレイクとして、模造紙にそれぞれの言葉(ネグロスはイロンゴ語、東ティモールはテトゥン語)で基本的な挨拶などを書き出していきました。それぞれスペイン語、ポルトガル語の影響も関係しており、またマレー語の流れもあってか、似たような単語が色々と飛び出してきて、それだけで一気に心の距離が近くなったようでした。同じく模造紙に、全員の名前を書き出して、野菜や動物の名前のコードネームをつけることに。ネグロス側にはテトゥン語、ティモール側にはイロンゴ語の単語を選ぶことにして、これもとても盛り上がりました。

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「『ありがとう』はイロンゴで何て言う?テトゥンで何て言う?」と一つずつ確認。

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野菜や果物のコードネームをつけるのは、東ティモールのエゴ・レモスさんの手法。

 

こうしたアイスブレイクを終えて、オリエンテーションを開始。まずはネグロスから、KF-RCのスタッフであるエムエムが、ネグロス島の基礎情報と歴史について英語で詳しく説明しました。ネグロス島だけで東ティモールの3倍近い人口があるということにびっくりする東ティモールの面々。また、歴史的背景については、長年の植民地支配、日本軍による占領など、共通点が沢山あるということを学びました。つづいて、同じくスタッフのジョネルがKF-RCの概要を説明しました。以前こうした役割は、APLAと長年活動を共にしてきたアンボさん(元KF-RC代表)が担っていましたが、2016年1月に彼が急逝した後は、若手のスタッフがしっかりと引き継いでがんばってきています。

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テトゥン⇔英語⇔イロンゴという通訳で進むオリエンテーション。

夕食をはさんで、今度は、同行スタッフのパウラが東ティモールの基礎情報と歴史について説明。長い植民地時代、日本軍の統治、インドネシアによる占領を経て、新たに独立した国だということをネグロスの若者たちはほぼ全員はじめて知った様子でした。つづいて農民のマルクスが、エルメラでの自分たちの活動について説明します。作物の多様化から、現在力を入れて進めている環境保全活動まで、自分たちが学んで実践してきたことをしっかり説明しました。2012年に実地研修を開始した時からの変化は目を見張るものがあります。

最後に、水源保全の動画を上映しました。英語字幕なので、英語がわからないKF-RCの研修生・研修生に対して、エムエムがイロンゴ語で補足説明をしてくれました。明日からのプログラムに期待が高まる初日の夜でした。

報告:野川未央(のがわ・みお/APLA事務局)