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2022年6月1日台風オデット被害への支援のご報告(3)

昨年12月に台風オデットがフィリピン中部地方を直撃し、甚大な被害をもたらしてから、早いもので5カ月半が経過しました。カネシゲファーム・ルーラルキャンパス(KF-RC)も豚舎をはじめとした農場の建物や圃場に大きな被害を受けましたが、スタッフたちの懸命な復旧作業により、5月末の時点で、台風前の8割ほどの状態には回復を果たしているとの報告が届いています。

農場設備、特に大きな被害を受けた豚舎の修復や電気系統の復旧に費用がかかるということで必要な経費の一部として、27万円をAPLA緊急災害支援準備金(※)から送金していました。今回、KF-RCのスタッフからは「復旧に必要な費用の全額を日本の皆さんに支援していただくことはしないで、これまでの農場の売上から可能な限り捻出したい」という表明があり、実際にそのような形で復旧作業が進められていることも併せてご報告させていただきます。

農場内のフェンスを修繕する卒業生たち

なお、これまでにKF-RCで研修を受けた卒業生たちも、それぞれが暮らす村で台風オデットによって家屋や圃場・家畜に被害を受けているため、修繕費として見舞金3,000ペソ(約7,000円)をそれぞれに手渡すという決定をし、KF-RCに送金をしていました。農場の復旧作業で手一杯なスタッフたちがネグロス各地に点在する卒業生を一人ひとり訪問することは困難であるため、合計30人の卒業生を2つのグループに分けて農場に集まってもらい、1日だけ農場内の仕事を手伝ってもらったうえで、その見舞金を手渡したとのことです。

事務局長のエムエムや農場のスタッフたちが卒業生一人ひとりに台風の被害状況や現状を聞き取りしたところによると、多くの卒業生が、人が暮らす家屋を修繕することが1番の優先事項だった、台風から5カ月が経ってバナナやフルーツは少しずつ回復してきている、見舞金は大変ありがたい、と話していたとのことでした。

KF-RCの農場も、卒業生それぞれが生活する場所も、完全な復旧にはまだもう少し時間が必要そうですが、皆で助け合って乗り越えていこうとしている様子が伝わってきます。この夏には、2年半ぶりにAPLAスタッフも現地に渡航予定ですので、その時にはまた詳細をお伝えできるかと思います。

報告:野川未央(のがわ・みお/APLA事務局)

※台風オデット被害への支援後の残金は、7,351,291 円となっています。