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2022年8月23日〜25日インドネシア南スラウェシでのKONTINUの活動報告

2022年8月、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック以降2年半ぶりにインドネシアの活動地を訪問してきました!2021年10月には、オンラインミーティングで聞き取ったKONTINUの活動の様子をご報告しましたが、その後の進捗もお伝えします。

まずは、KONTINUの活動拠点でもあり、エコシュリンプの養殖池が広がるランリサン村のゴミの選別場所を見学しました。現在、村の住民組織と協力して、2人の回収スタッフが月・水・土の週3回、自動三輪車で村内の家庭ゴミを回収しています。見学当日も、2人の女性がプラスチックゴミを手選別していました。選別したプラスチックやビン、缶などの売上は、KONTINUではなく、村の住民組織の収入になっているそうです。

 

KONTINUの書記をつとめ、住民組織のメンバーとしても活動するサンティカさんは、2021年6月から家庭ゴミの回収活動を始めて1年以上が経ち、住民の行動や村の環境は大きく変わったと話しています。

海岸に流れ着くゴミ。

なお、10月後半から2月までは西風の季節のため、ランリサン村の海岸には海から大量のゴミが流れ着きます。村の家庭から出たゴミと違って、漂流してきたゴミは汚れや傷みがひどくて値がつかないものもあるので、廃プラスチックから燃料を生むことのできる機械が入手できたらありがたいと考えているという話を聞きました。すぐには実現しないかもしれませんが…。

さらに、食品残渣でうじ虫を育てている場所の見学に向かいました。話で聞いて想像していたものとは少し違う種類だったのと、幼虫そのものではなく、脱皮した殻を粉砕して、エビの頭や人間が食さない魚の魚粉などと混ぜて、なまずやテラピアなどの淡水魚用の餌を製造・販売しているとのことでした。KONTINUではなく、村の農産加工組合の事業としておこなっており、有機ゴミという資源がうまく地域の中で循環していることが素晴らしいですね。

村に贈呈されたゴミ回収者に「試乗」する女性。

滞在中には、今年度に新たに家庭ゴミの回収活動を開始するウェトゥエ村で、住民に向けたSosialisasi(いわゆる説明会)が開催されるということで、私も出席しました。若い村長さんは「これまで村としてきちんとゴミの処理ができていなかったが、これを機に集めたゴミを集積するコンテナを村の予算で準備し、選別して最終処分場に持っていけるようにしたい」という宣言がありました。主に女性の参加者たちは隣村(ランリサン村)のゴミ回収活動が軌道に乗っているので、自分たちの村の状況もよくしていきたい!と意気込みを語っていました。

ウェトゥエ村からの帰り道、沖合に定置網がずらっと並んでいる様子を目にしました。エビ養殖農民以外に漁民も多く、土地を持たない漁民の方が経済的には厳しいようです。KONTINUのメンバーが「定置網では色々な種類の魚が取れるが、人間が食べない種類もかかる。以前はそれらは捨てられていたけれど、今は組合で淡水魚の餌の原料にするために購入している。漁民とエビ農民のシナジーが生まれているよ!」と誇らしそうに語っていたのが印象的でした。

報告:野川未央(のがわ・みお/APLA事務局)