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2010年7月26日~8月2日つながりのゲーム ~2010年青少年ネグロス体験ツアー報告~

今年も7月26日~8月2日に、APLA会員団体であるグリーンコープ共同体主催の「青少年ネグロス体験ツアー」が行われました。日本ネグロス・キャンペーン委員会(JCNC)の時代から継続して行われているツアーで、毎回約10人の高校生がフィリピン・ネグロス島を訪れ、現地の青年たちと1週間の共同生活をしながら、ワークショップを通じてひとつの劇作りに励みます。 今年のツアーに参加した日本の高校生たちは、積極的な子が多く、はじめは言葉が通じないことに戸惑う子たちもいたようですが、歌やジェスチャーを混ぜて少しずつ打ち解けていっていました。

毎年、この青少年のツアーでは、みんなで歌をつくります。その歌をつくるために“リンケージ(つながり)ゲーム”をします。「生まれ変わったら何になりたいか」をそれぞれが、考えて発表します。鳥、海、ココナッツ、火、太陽、月、女性、自分、ねこ、木、魚、風、たくさんの言語を話せる人、神……など色々と出てきます。次に「なぜそれになりたいのか」を話していきます。自由に空を飛べるから鳥になりたい、海だったら国境なんか関係なくどこへでも行ける、ココナッツだったら100通りくらい使い道があるから、食べものを人びとに与えるだけじゃなく、様々な生活の場面で役に立てる……などなど、理由を教えてもらいます。そして、次に、自分とつながる相手を探していきます。鳥だったら休むためには木が必要、木だったら成長するのに太陽が必要……という具合にパートナーを探します。その相手と自分をゴムひもでつなげて、また次の人へつなげていくと、円の中は長い一本のゴムひもが、幾何学模様を作り出します。

「今、みんなはゴムひもでつながっているけど、この状態で何を感じますか?」と質問をすると「今、このひもを持っていると、引っ張られて手が痛いけど、離したらいけないって思う」「みんなで協力し合っている実感がある」など、色んな感想が出てきます。そこで象徴として出てきた言葉は、引力、感謝、わかちあい、友情、しっかりつかまえる、絆、美、犠牲、協力、つながり……など。青年たちが作っている、この幾何学的なひもが作り出す模様は、あたかも私たちの生きる世界を映し出しているようでした。本当はひとりひとりがどこかで誰かとつながっていて、世界は成り立っていること。そして、「One for All, All for One」、ひとりはみんなのために、みんなはひとりのために、と支えあって生きているのが私たち。それは、国境や言葉、性別、肌の色、人種などは関係がないということが、そこにいた高校生たちが証明してくれたことでした。

「じゃ、ひとりずつ、ゴムひもから手を離していってみよう」。そうすると、きれいな幾何学模様を作っていたひもは、たるんで惨めできたなくなっていきます。そうやってひとりひとりが孤立して、バラバラになっていく。今の日本の社会の様子を見ているようで心が痛みました。とてもシンプルな“リンケージ・ゲーム”ですが、分かりやすく“生きることとは”ということを教えてくれるゲームです。

その日の夜、高校生たちは、真っ暗な部屋に目隠しでつれていかれます。円になって座って、ひとりひとりが、暗闇の中で自分のことを見つめていきます。そして、今何を思っているか、ろうそくの火を見ながら話してもらいます。そこで出てくることは、これまでみんなが誰にも打ち明けられなかった心の奥の奥にしまっていたこと。あまりにも辛くて、涙で声が出ない子もいました。日本とフィリピン、生活している環境は違います。でも、十数年という短い人生の中でも、誰もが色んな苦しみを抱えて生きているということは同じでした。みんな仲間の話を真剣に聞きます。みんなの話を聞き終わったら、3時間くらいの時間がたっていました。とても疲れたことだと思います。でも、最後にはみんながお互いを励ましあって、涙を流しました。そうするとそこには、どこかすっきり、すがすがしい空気が流れていました。

この過程を経て、ワークショップのアシスタントをしていたジャニー君が、みんなの思いをつむいで、曲をつくりました。それに、ピアノを弾ける子が伴奏をそえて、リコーダーやピアニカ、パーカッション、そしてみんなの歌声をのせて、歌が1曲完成しました。世界に1曲だけの、自分たちの歌です。

長年、この青少年たちのツアーに携わっているAPLA海外デスクの大橋が言いました。「日本の子はネグロスという異国の地だから、そしてネグロスの子どもたちにとっても、日常を離れたこの場所だから、色んなことを打ち明けられる。生活を共にしている人たちには話せないこともあるからね」 確かに、親や友達にだって言えないことはたくさんある。でも、そんな話を聞いてくれる第3の場所や人も生きていくには必要なのかもしれない。だから、ここで出会った友達は一生の友達だし、遠くにいて会えなくても、ずっと思いあい、元気であることを願う人となる。そして、その仲間が一生の宝物になり、生きる勇気を与え続けてくれるのかもしれません。

今年でこの青少年のツアーに同行したのは3回目。毎回、出会う人が違うから、また違ったドラマや絆が生まれています。でも、毎回自分らしく生きること、そしてどんなときも自分に誇りを持って強くあること、自分を解放していくこと、自分がどうやったら人の役に立てるのか……。いつも高校生たちからたくさんの大切なことを教えてもらうツアーです。

報告:吉澤真満子(よしざわ・まみこ)

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