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2024年1月6日〜10日ぽこぽこバナナプロジェクト・ネグロス訪問報告②

2024年1月6日から10日、フィリピン・ネグロス島を訪問してきました。ぽこぽこバナナプロジェクトとしての訪問で、バランゴンバナナの生産現場を見学するとともに、現地でどのくらいのバナナが廃棄されているのかを知るのも目的でした。

報告②では、現地のバランゴンバナナの廃棄の状況についてご報告します。

買い付け場面での廃棄

サイズが小さいために廃棄になってしまうバナナ産地で廃棄が生まれるのは、生産者からの「買い付け」の場面です。長さ、太さなど、基準に満たないものは買い取れず、「リジェクトバナナ」として廃棄になってしまうのですが、リジェクトバナナはどのくらい生まれるのでしょうか?

産地やその時の状況によっても異なりますが、10〜15%ほどで、全く廃棄が出ない時もあるということでした。私たちが見学したときにも選別されるバナナがあり、「これはなぜ買い取りが難しいのか」尋ねたところ、私が指摘したバナナは「小さいから」ということでした。

*詳細は『ハリーナ』49号の特集記事の「「リジェクトバナナ」も民衆交易品―ネグロスの産地から」をご覧ください。

では、こういったリジェクトバナナはどうなっているのでしょう?

豚やアヒルなど家畜のえさ、コンポスト、おやつなどで活用されているそうです。

バナナとチョコチップのケーキ

コンポスト(という説明を受けたけれど、丸っと房のままのバナナ)

 

また、景勝地であるシライ市のランタワンの生産地は、他の地域から遊びに来る人も多いということで、そういった観光客向けに小さいお店が営まれています。そこでバナナを販売することもあるそうです。

道路沿いのお店でバナナを販売

野菜や調味料なども販売されている

 

パッキングセンターでの廃棄

パッキングセンターでは、品質管理、汚れなどの除去、計量・箱詰めなどが行われています。パッキングの作業は、月に2回。各産地からバナナが集まりはじめるのは夕方で、作業が終わるまで行われるので、量によっては朝までかかることもあるそうです。

「品質管理」の際に、熟れ過ぎ、未熟、サイズ、傷、病気の有無など、基準に満たないものが取り除かれます。結果として、パッキングセンターで廃棄されるバナナの量は、大体10〜15%ほど。私たちが見学した日は、全部で300箱程度運ばれてくる予定ということで、そこから考えると30〜45箱分ほど廃棄されているということになります。意外に多いと感じました。廃棄されたもので食べるのに問題のないものは、地元のバナナ売りに安く販売するということです。

運ばれてきたバナナは水で洗浄される

基準が説明されているポスター

基準に満たない廃棄されてしまうバナナ

 

なお、現地では、この後、国際船に積み込む際にも選別されるので、廃棄が生じるので、日本に来るまでに3回は選別され廃棄されていることになります。

バランゴンバナナの民衆交易が開始されてから30年以上。日本での厳しい検疫制度を通過し、消費者においしいバナナを届けるために、生産者そして、買い取りを行う現地のオルタートレード・フィリピン社は多くの経験と努力から選別の基準を設けてきました。バナナ産地で「小さい」という理由で除かれているバナナがありましたが、専用の道具で、長さ13.2㎝、太さ2.7㎝という基準に満たないものは、日本での追熟がうまくいかない可能性があると言います。「小さい」という理由だけなら「もったいない」と思ってしまいがちですが、しっかりとした裏付けがあるんですね。

日本に届いてからもパッキングセンターで選別・袋詰めされ、その際に規格外のバランゴンバナナが出ます。ぽこぽこバナナプロジェクトでは、この時に生まれる規格外バランゴンバナナの有効活用を進めています。

現地での選別と日本に届いてからの選別は、意味が一部異なるような気がします。現地は上述したように、植物検疫を通ったり、追熟がうまく進んだりなど消費者に安心安全でおいしいバナナを届けるために必要な品質管理。日本に届いてからの選別は、もちろん現地と同じように品質管理の面もありますが、見た目を重視する消費者に応じるためという面もあるのではないかと思います。ぽこぽこバナナプロジェクトは、そういった見た目は悪いけど、中身は問題がないというバナナは、全て活用できるよう、消費者の皆さんにご理解いただきながら、改めて努力していきたいと思いました。

報告:福島智子(ふくしま・ともこ/APLA事務局)