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2024年3月1日PARCによるガザ救援活動報告

ガザ地区で緊急救援活動を展開しているパレスチナ農業復興委員会(PARC)より、これまでの支援の実績報告が届きました。

図にあるように、50万人を超えるたくさんの人びとに食料や飲料水、生活必需品などを配布しています。こうした活動は複数の国際NGOからの資金援助を受けて行っています。

ガザも冬となり、寒い日々が続いています。特に家を追われて避難生活をしている人びとに対してはテントや毛布、衣服なども支給しています。

(注)食料引換券:指定された店から一定額の食料品を引換できる電子バウチャー。商店に在庫があった戦争初期にPARCが被災者に配布したもの。

 

ガザ地区内で調達した新鮮な野菜も配布

ガザ北部の難民センターで炊き出しの準備

缶詰のパック作業

 

飲料水配布(ラファ)

家を失った家族が暮らすテントを用意

 

一方で、ガザ地区の食料事情は危機的な状況です。

国連人道問題調整事務所(OCHA)調整部長ラメッシュ・ラジャシンハム氏は、2月27日、国連安全保障理事会でガザ地区の食料事情について報告しました(注)。報告のタイトルは、「停戦がなければ、ガザの飢饉は『ほぼ不可避』だ」という衝撃的なものです。以下、報告の要点をまとめました。

  • 軍事行動、治安の悪化、必要物資の搬入・搬出の大幅な制限によって、食料生産と農業は壊滅的な打撃を受けている。
  • ガザで長い間、重要な栄養源であり収入源でもあった漁業は、10月7日以降、出漁が禁止されている。戦争によって家畜の命も奪われ、もうひとつの重要な食料源と収入源が失われた。
  • 電気、燃料、水などの必要物資の不足により、食料生産は事実上停止状態にある。10月7日以前にガザで稼働していた5つの製粉工場は、11月に入ると操業を停止した。
  • 小麦粉、卵、乳製品といった商品は、ガザではほとんど入手できない。一方で入手可能な商品の価格は法外な水準にまで高騰している。
  • ガザ北部の2歳未満児の6人に1人が急性栄養失調と消耗症に苦しみ、ガザの全人口が、生き延びるためには極めて不十分な人道的食料支援に頼らざるを得ない状況に置かれている。
  • 電力・燃料の供給停止により水道施設が機能せず、食料生産と栄養失調、病気の予防に不可欠な水へのアクセスに大きな影響が出ている。
  • ガザ地区では、子どもたちや妊娠中・授乳中の女性の栄養不良が急増しており、特に深刻な問題となっている。さらに、慢性的な過密状態、適切な住居がなく寒さにさらされていることが栄養不足に拍車をかけ、大規模な疾病の流行を引き起こす条件を作り出している。

注:原文 Mr. Ramesh Rajasingham updating the Security Council on food security risks in Gaza | United Nations Office for the Coordination of Humanitarian Affairs – occupied Palestinian territory (ochaopt.org)

こうした危機的な状況下でPARCの支援を待つ人がたくさんいるはずです。しかし、ガザ地区内で食料や物資を調達することはますます困難になっています。そのため、PARCは隣国ヨルダンのNGO であるJordan Hashemite Charity Organizationと連携して、ヨルダンを経由して西岸地区からガザ地区へ物資を搬入する手段を模索しています。この計画が一刻も早く実現することを切に祈ります。

小林和夫(こばやし・かずお/ATJ広報室)