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2009年5月25日ガザ地区緊急支援・パレスチナ国内では ~ワッファ・ユデフさん(女性貯蓄信用協同組合/UCASC)に聞く~

2008年末のイスラエルによるパレスチナ・ガザ地区への攻撃から4カ月。この間、海外からの支援とは別に、パレスチナのヨルダン川西岸地区では、NGO団体やオリーブオイル生産者たちによって独自のガザ地区救援活動が展開されました。

ワッファ・ユデフさん。

今回は、昨年7月に来日したPARC(パレスチナ農業復興委員会)、そして女性貯蓄信用協同組合(UCASC)のメンバーであるワッファ・ユデフさんから、このパレスチナ・ガザ地区緊急支援についてのコメントをいただいたのでご紹介します。

●ガザ侵攻を聞いたとき、どういう気持ちでしたか。

物資受け取りのための受付。

それはもう心配、悲しみと恐怖が入り混じったような最悪の気持ちでした。私たちの兄弟とも呼べるガザ地区の人びとは全くの非武装であったのに、イスラエルは女性や子どもや年寄り、そして青年たちを殺し、鳥や動物さえも殺してしまいました。イスラエルの起こしたガザ地区でのあらゆる破壊のことを思うと、不安や悲しみや恐れで胸がかき乱されて、怒りと憎しみで張り裂けそうでした。

●どんな物資が集まったのですか。

フード・バスケットを持ち帰る住人。

私が住むカルキリヤでは、各村のUCASCの役員が他のNGOと連携し、気持ちを一つにして行動しました。砂糖、米、小麦粉などの食物、ヒヨコ豆、レンズ豆、えんどうなどの豆類、缶詰、衣服、石鹸、粉ミルク、タオル、薬などが集められましたが、これらはすべて各グループや村の人びとの蓄えの中から提供されました。私が関わった地域では4トンの物資が集まりました。

人びとはみな、反応が非常に高くて積極的でした。ガザ地区に降りかかった悲劇に心を痛めていて、物資の提供がせめて自分たちにできることと感じていたのです。

●悲惨な戦いは終わったとはいえ、人びとに残された精神的苦痛は非常に大きなものです。ヨルダン川西岸地区の女性として、今後のどのような支援活動ができると思いますか。

UCASCガザ地区には2,067人の会員がいますが、そのうち6人が死亡、13人が夫を、50人が子どもを失いました。今、切実に必要とされているのは、女性や子どもたちが被った肉体的・精神的ショックを癒すための丁寧なカウンセリングであると思います。また、女性たちが専門職や手仕事を身につけられる職業訓練や、収入創出のためのプロジェクト支援が求められています。

今回のガザ侵攻を契機として、イスラエル商品のボイコットキャンペーンも開始しました。ガザ地区の人びとへの支援は、西岸地区でのイスラエルの占領に対する闘いの高まりと並行しています。なぜなら、占領こそがガザ地区の人びとが受けた痛みと損害の根底にあり、それは日常私たちが西岸地区でも体験していることだからです。

●最後に、日本の支援者に何か一言お願いします。

日本の皆さんの協力に感謝しています。寄付金で食料品などを詰め合わせた『フード・バスケット』を購入し、困窮している家庭に食料を分配しました。食料はイスラエル軍が撤退した後も最もニーズが高かったので、この支援は非常に貴重でした。

最後にもう一度日本の皆さんに感謝の気持ちを送りたいと思います。皆さんの心遣いとあたたかい協力に、私個人として、そしてUCASC会員のひとりとして深く感謝しています。   今回、ATJ/APLAには1,424万2,065円の緊急募金が寄せられました(4月末日時点)。この一部は425個の『フード・バスケット』の配布に活用されました。皆様のご協力に心より感謝申し上げます。

まとめ:APLA事務局